乳がんの診断・手術を受けた体験:その1 診断から手術決定まで

痛くてもきっちり見てもらえるところがいい

みなさん、マンモグラフィーは痛いから嫌だといいます。私が健診センターで働いていた時も、職がの放射線技師さんが、「痛いとみんな受けてくれない」と言っていました。確かに痛いのは嫌だ。しっかりわかるのであれば、痛くないに越したことはない。

私は4年くらい前に職場の健診で胸にしこりがあると言われて、精密検査になったことがあります。そこで乳腺外科を検索していて、一番メッセージが熱いところにしました。曰く、「うちの検診は痛いですよ」と明記しているところです。痛くない生半可な検査ではなく、異常を見つけるための必要な画像を撮るために、しっかり挟みますよ、と。技師のプロ意識にかけて、みたいな。

異常かもと言われているのだから、そこを白黒つけてくれるところでないとね。そして受診したら、健診で指摘されたものは見当たらず、代わりに右に一つ、左に2つ小さなシコリが見つかりました。でも悪いものではなく、良性腫瘍でしょうと診断され、年1回の経過観察となりました。

ちょっと横に伸びてる?細胞診は採血くらいの痛さ

そして2回目(2年目)の検診で「ちょっと気になるんですよね」と主治医から言われたんです。「右のは変わらず、左のもいつもと変わらずです。でもこの1つが少し1mmくらい去年より横に伸びてるんです。5mmだったのが6mmになっているんです」

え?1mm? すごく真面目に話してくれるのですが、一瞬笑いそうになりました。

それって誤差じゃない??・・・と正直思いました。でも先生は気になると。良性なのはほとんどが丸の形で、悪性は歪になる傾向がある。大丈夫かと思うけど、よかったら細胞診をしてみないか?と提案され、そう言われたら気になるのが人情ではないですか。それで受けなくて何かあっても嫌だし、と受けることにしました。細胞診は採血くらいの痛さでなんてことなかった。

そして1週間ほどたって結果を聞いたら判定困難(グレーゾーン)だと。「いやあ、僕もこれで乳がんだったら、どんどん引っかかる人が出ちゃうから困っちゃうんだけどね。まず大丈夫だと思うんだけど、」といいつつ、はっきりさせるには針生検が必要と言われました。

針生検 グイグイされても痛くなかった

え〜、グレーって言われたら、モヤっとするよね、ということで針生検することに。今度は太い針を刺して組織を吸引するらしく、局所麻酔して受けました。ちらっとみたら、確かに太い針だった。

グイグイ押されるような振動もあって、「こんなにグイグイされても全然痛くないなんて、麻酔ってすごいな〜」っとちょっと面白かった。その後1日くらい圧迫止血してましたが、足りなかったのか、内出血してしまい、痛みはないけど、2種間くらいお胸が可哀想な見た目になりました。

そして10日後、結果を聞きに行きました。おそらく大丈夫でしょうと言われていたので、あまり深刻に考えていなかったのですが、朝準備している時に「え、もし癌だったらどこに紹介して欲しいか聞かれるよね」と急に思い立ち、急いで近隣の大学病院、癌専門病院を検索。主治医が大学病院の非常勤をしているので、そこへの紹介がスムーズかなと考えていました。

結果は悪性 ショックよりも感謝

「すみません、癌でした」と開口いちばんに言われました。

え〜。どうしよう。夫になんて言おう。最初に思ったのはこのこと。折につけ「まず大丈夫だと思うけど」と先生が言うものだから、夫にも「まず大丈夫だろうって言われてるから大丈夫じゃない?」と言ってました。夫の義母が2ヶ月前に癌で他界したばかりで、癌疑いなだけで夫は涙目。え〜、困ったな、なんて言おう。とそればかり考えていました。

「いやあ、僕もあれでよく調べようと思ったなあ。自分でも驚いてますよ」と何だか先生は嬉しそう。え?それ今患者にいう?とちらっと思ったけど、私も飄々としているからか?

まあ、私も嬉しいですよ。癌なのはびっくりしたけど、それよりも数mm単位で見つかったことに感謝していました。触ってもわからない、小さなしこりをしっかり見極めていただけたので。

そして紹介先を聞かれて、主治医の非常勤先の大学病院についても情報を聞き、そちらに紹介していただくことにしました。行ってみて何か気になれば、セカンドオピニオンという方法があるからね。まずは連携が取れているところの方が色々スムーズだよねと思いました。

①仕事、②保険内容、③家族への説明

さて、どうしよう、と診察室から出て、考えたのは上記の順番。①何はともあれ、職場の上司に言わねば。これから先大学病院の受診や手術前検査とお休みをもらうことが多いし、早めに言って勤務表を調整してもらわねば。ひとまずLINEで師長さんにご相談があるのでどこかでお時間くださいと打ちました。

そして、②お金。私癌関係の保険に入ってたよね、と保険証書をゴソゴソ。通常の入院保証と、がん診断一時金、そして通院の抗がん剤・放射線治療・ホルモン治療の保険。・・・うん、一安心。えっとどの書類を書いたらいいんだ?書類と睨めっこしました。

そして③は本当に大変。夫や家族に言わなくちゃ、どう説明する?どんな反応する?ということは一番の悩みの種だった。うちは子どもはいないので、その点は助かった。

親・きょうだいには言わなくてもいいかな?とちらっと思ったけど、言わないで手術受けて万一のことがあってもいけないから、手術の日程が決まった頃に話すか。

夫はメンタルボロボロになるかもしれないが、言わないでいるのは私の心の安定が図られないので言ってしまおう。そして何とか手術日が決まる頃までに夫自身で気持ちを立て直していただこう。

大学病院へ。術前検査は予約がすぐには取れない

3週間後、紹介先の大学病院へ。非常勤での所属している医師の紹介のせいか?何だかVIP待遇でしたよ。受付スムーズ、そしてあまり待たずに教授のところに診察で呼ばれました。ラッキー✌️

そして術前検査。当日できる血液検査などし、骨シンチと造影CTは3週間後になりました。そしてそこからまた数日後に造影MRI。なかなか手術まで時間がかかる。

「小さい時に発見されたから、手術が2〜3ヶ月先でも大きくならないからそんなに不安にならなくていいですよ」と言われました。確かに早くても1〜2年で1cm大きくなるかどうか。mm単位のまま手術には臨めそう。時々もたげる不安を深呼吸で落ち着かせました。

④全摘か温存か

一つ前の見出しの続き。教授先生から、画像の検査結果を待つ必要があるが、おそらくステージ1。大きさ的には部分切除でいけそうと言われました。部分切除であれば+放射線治療で再発予防をするのがセット。全摘出であればより再発は低いよと。切ってみないと悪性度など詳細はわからないので、抗がん剤やホルモン治療の判断は手術後。そんな内容。

部分切除(温存)にするか、全摘出か。色々ネットで医療者の発信や体験談をみていくと、小さい癌でも全摘出する人もいるし、温存の人もいる。さて私はどうしよう。

夫に意見を聞いたら「全部取っちゃえよ!」と即答でした。「何を迷うことがあるの。命が一番大事でしょ。胸なんてなくてもいいでしょ。」

・・・ダメだ。こいつは自分の不安を解決したいだけだ。私のQOLを考える余裕はないな。夫はしばし放置して、自分を見つめました。

乳房全摘に不思議と拒否感はなかったのです。以前何かの写真展で癌サバイバーで全摘の方の上半身ヌードの写真がありました。凛とした表情で、かっこよくて、胸のないことに逆にセクシーさを感じました。だから必要があれば全摘しても、再建はかんがえず、補強下着でバランスをとりながらやっていくことも可能だなと思いました。

胸は女性にとってアイデンティティーと言われる。私にとって胸は「女性としての象徴なのか?」「体の一部に過ぎないのか?」と考えた時、どっちとは言えなかった。生物的に子どもの授乳もしてないし、なくてもいいかもしれない。

でも自分のおっぱいに愛着がある。「私の愛しのおっぱいちゃん」なのだ。それを失って実際にどう感じるかは未知。それに加えて、必要以上にこそぎ取ることに抵抗がありました。体にかかる負担はできるだけ必要最低限にしたい。術後の入院も長くなるし・・・。

結果、いざ再発したらその時に全摘すれば予後は、初めに全摘した場合とそう変わらない、全摘と部分切除+放射線治療の2つで再発率は大きく変わらないという情報を得て、私は検査結果が出揃った上で、部分切除でいけるならそうしようと決めました。

夫が「なんで!死にたいの!」と狂乱しましたが、「私の体、私の命なの!人の意見も考えるけど、妥協して、流されて後で後悔したくない。自分で考えて選んだ道なら、結果がどうであれ諦めがつくよ。その結果も受け入れるよ。だから私が一生懸命考えて出した結果でいくよ」と言いました。

結果出揃い、手術日決定

最後の検査が終わって数日後の土曜日、夫と結果を聞きに行きました。別に一人でもいいかなと思っていたのですが、教授先生の方が「ご家族は一緒に聞かなくて大丈夫ですか?」心配そうに言われ、別に私はパニックになってないし、夫の方がきっと説明が入らないと思ったけど、やっぱり聞き逃しがあるかもしれないから、2人の耳で聞こうと考え直しました。

夫は「嫌だ〜。聞きたくない〜。行きたくない〜。行ったら現実になっちゃう〜」と泣き言を言っていたけど、「馬鹿者。いかなくても現実だ。手術を受ける本人を前に馬鹿なことを言ってるんじゃないよ」と喝を入れたら、当日になったらしゃんとしてました。

術前の検査結果で転移はなし。ステージ1で限局しているので、部分切除でいけるでしょう。全摘が希望であればそれでもいいですが、どうします?と聞かれて、部分切除でお願いしました。

手術日は来週初めと2週間ちょっと後に空きがあるよ、と言われました。でも来週いっぱい働けるかな、と師長と相談していたので、2週間ちょっと後にしました。夫が横で「来週にしなよ、早く切っちゃいなよ」と小声で言っていたけど、無視。

「癌でした」と言われてから手術日決定まで2ヶ月、手術日まで行くと3ヶ月近く。それぞれの結果待ちの時間は長く感じたり、日常に紛れてあっという間だったりしました。焦り・不安は思ったよりなかったですが、これから歩く見えない道をどう進めば自分にとってのベストなのか、常に考えていました。悩むのではなく、わからないなりに調べて選択肢を考えることで自分のメンタルを保っていたと思います。

他にもメンタルを支えてくれていたものがありますが、それはまた別の機会に書きます。

次はいよいよ手術です。