乳癌の放射線治療で感じたこと:その2 放射性肺炎になった体験談。

放射線治療の副作用の1つに「放射線肺炎」「放射線性肺臓炎」と呼ばれるものがあります。放射線の照射によって、肺の一部にも放射線が当たることで炎症が起こる状態で、治療後1〜6ヶ月くらいしてから出ることがあるようです(頻度は少ない)

放射線治療の説明の時に「まれに」そんなことが起こるよ、と説明されていたので、「ま、私はならないかな」と何の根拠もなく思っていました。だって風邪だって数年に一度、しかも軽い鼻風邪くらいですぐ治るし、インフルエンザにもなったことないし。しかし、なったんですよ。

最初は鼻風邪?熱出てないから働ける。

10月半ばに放射線治療が終了した翌週から半日勤務で復帰しました。産業医と面接しながら、徐々に日勤、夜勤と広げていきました。そして年末。ちょっと鼻風邪を引いたかな。鼻水でる。でも咳も出ないし、熱もない。病棟はその頃スタッフが代わるがわるインフルになっており、人手不足。マスクをして仕事に出ていました。

1週間は食事と睡眠に気をつけて自力で治るかな、と思っていたけど、治らない。逆に咳もたまに出るようになったけど、仕事の時は気合い入れれば咳でない。家に帰るとケホケホ。夕方熱を測ったら37.2度の微熱・・・まだ職場はインフル真っ最中。休めないよね〜と思いつつ、市販のルルを飲んで様子を見ることに。

2週間くらい経っても治らず。

市販薬を飲んで1週間してもスッキリ治らない。咳は仕事中には出ないけど、家では発作的に激しい咳が出ることもある。夕方の微熱は37.5度。そして・・・深呼吸すると左胸がチリリと痛い気がする。

動くと息が切れる感じがする。そういえばコロナ騒動の時にパルスオキシメーター買ってあったな、と人差し指で測ってみると97%。ここで思い出したのです。そういえば、放射線肺炎ってあったよね。

コロナとかマイコプラズマとかも調べた方がいい・・・?関係なさそうだけど。なぜなら、ずっと夫が寝室で一緒に寝ているのですが、全く風邪症状がない。夫は丈夫だけど、さすがに無傷なのは、感染性ではないということなのでは?

ひたすら喉が渇いて、ずっと水飲んでいる。

胸部レントゲンで左肺の中央が真っ白

休みの日に近所の内科に受診し、胸部のレントゲンを撮ったら「左の肺の中央が真っ白」と言われる。レントゲン撮影の時も深呼吸したら、左胸が痛かった。

インフル、コロナ、マイコプラズマ・・・諸々のウイルス検査はマイナス。心底ホッとした。

乳癌のかかりつけではない(←大学病院なので、初診で行きにくいから)ので、以前のレントゲンと比較出来ない。乳がんの経緯を伝えたが、そうそう肺臓炎にはならないから、とひとまず1週間抗菌薬飲んで、改善しなければ入院と言われました。

悪化。

受診から4日経った休日。それまでの3日間は仕事にも出ていたけどすぐ疲れる、息が上がる。そして今日は家の2階にゆっくり上がるのにも息が上がる。階段登りながらパルスオキシメータを見ると91〜92%に下がり、脈は100に爆あがり。

座っていてもパルスオキシメーターは90%前半で、正常範囲の95%以上にはならない。

これは仕事できるかな。2連休の後夜勤入り。やればできるかな?でも誰かと交代するのなら、少しでも早く決断しなければ。

洗濯を干すのも一苦労。これでは無理だと悟り、早々に上司に連絡して。そして受診も前倒しに。

大学病院の呼吸器内科へ。

朝イチで再度内科へ。胸部のレントゲン、CT撮って左肺が全部真っ白になっていると。入院も勧められたけど、紹介状が欲しいとお願いし、乳がんの手術した大学病院の呼吸器内科宛に紹介状を書いてもらった。大学病院の予約は電話では取れず、でも電話口で話すのも息が切れている状況から、翌日にフリーで来てと言われる。

翌日朝イチで大学病院へ。乳がんの時はスタスタ歩いていた廊下が途方もなく長くて、休み休みトボトボと歩いていた。普通の呼吸でも、左胸がチクッと痛む。

5時間半待って診察。内科の レントゲン、CTから細菌性肺炎と放射線肺炎の両方の所見があると。採血検査で放射線肺炎の場合のマーカーの結果が出るまで時間がかかる。放射線性だとステロイドを使用しないといけないけど、そうすると細菌性肺炎が悪化するから、先に抗菌剤を内服して、10日あまり自宅療養となった。

マーカーの結果と抗菌剤の効き具合で、ステロイドも使用を検討しましょうと言われてビビる。ステロイドは副作用を考えると使いたくない。

1階の猫を2階に連れて行くのにもゼーゼーしてしまう。家の中で過ごすのもやっと。

立つのも辛い。寝るもの辛い。起坐位が一番楽。

状態は変わらず。立つと眩暈がする。寝ると楽だけど、そこから起き上がるのが辛いから、座椅子に座っているのが楽。食事もゆっくりとしか食べられない。ご飯食べるのも酸素を消費するのね・・・と実感。もちろんご飯も作れない。立ってられないから。

動くと咳き込む。夜も寝返りすると咳き込む。寝てて左側を向くと、息を吐いた時にプツプツと水泡音が聞こえる。肺炎の患者さんの聴診をしたときに聞こえる音が、自分から発せられるとは・・・とちょっと面白かった。

深呼吸でなくても呼吸をすると、左胸がチクっと痛い。

肺ってすごいな。1つが真っ白になるとこんなに苦しい。でも残りの1つで呼吸を維持してくれている。ありがたい。

改善の兆し

大学病院受診から5日目、何となく改善の兆しが見えてきた。少し夫とおしゃべりできるようになってきた。家の中はゆっくり歩けば息切れしなくなった。

受診から10日後、再度胸のCTをとると、左胸の影は1/4くらいに小さくなっていた。放射線肺炎のマーカーも低いので、ステロイドを使わなくてもいいでしょうと。ただ肺炎の範囲が広くて、水も溜まっていたから、あと2週間抗菌剤飲もうねと。ステロイドにならなくてよかった〜。

病院からは後2週間はセーブしながら働いても良い、と言われたけれど、少し長く歩くとゼーゼーしてしまうと、産業医に伝えたら、後2週間は自宅療養にしましょうとお達し。よかった、まだ高齢女性のようにゆっくりしか動けない。

ベーチェットも関係していた?

さらに2週間後。少し水が溜まっているところはあるけど、もう大丈夫でしょうと。確かに日常生活は普段通りに戻っている。

今回の肺炎は放射線の影響もあるけど、ベーチェット病でより炎症が起こりやすくて、肺炎の範囲が広がったのではないかと言われました。ベーチェットでなければ、もっと軽症だったのかな?

その後定期診察で乳腺外科クリニックに行って、肺炎だったんですよ、と報告すると「ええ〜!」と驚かれました。気をつけてね、よく深呼吸をするんですよ、と言われました。

普段健康だから今まで肺の役割にフォーカスしたことがなかったけれど、今回本当に肺のありがたみを実感しました。全ての臓器は大事ね。一つ一つの臓器が当たり前のように役割を果たしてくれているから、頭で考えたことを実行できるんだな、体に感謝です。

私の場合は「ただの風邪かな」と思って受診が遅れました。放射線治療後数ヶ月以内に咳や息切れが続くときは、放射線肺炎の可能性もあります。気になる症状があるときは早めに主治医や医療機関に相談してくださいね。